2020年12月9日公開

ITとは?何ができるか|基本から活用事例とIT業界まで幅広く紹介

「ITって何?」
「インターネットのことじゃないの?」

 

ITはほとんどの人が毎日ふれるものです。その実体はなんなのか分かっているようで分かっていないというのが正直なところではないでしょうか?

 

ITについてしっかり理解したいと思う人のために、この記事では下記の項目を中心にまとめました。

 

・ITについて
・ITとICTの違い
・だれもが知ってるIT企業
・知っておきたいIT関連用語
・IT産業を担う職種
・ITの活用事例
・最新のITトレンド

この記事を読むことで、ITへの理解を深めていただければと思います。

 

ITとは?

ITとは何か?その言葉の意味から成り立ち、概要についてみてみましょう。

 

ITの概要

ITは、information technologyの略で日本語に訳すと情報技術です。

 

IT用語辞典によると

 

ITとは、情報を取得、加工、保存、伝送するための科学技術。特に、電気、電子、磁気、電磁波などの物理現象や法則を応用したコンピューターなどの機械や器具、および、その内部で動作するコンピュータープログラム(ソフトウエア)を用いて情報を扱う技術のこと。

引用元:IT用語辞典

一般的にはインターネットに接続することと解釈されますが、ビジネスの現場でITといえば、コンピューターを使用して情報を保存、取得、送信するためのあらゆる形態の技術全般を表します。

 

つまりコンピューターやネット回線などの物理的なものからアプリなどのソフトウエアまでも含みます。

 

ITの歴史

人間が情報の伝達を始めた時には、言葉を使って簡単な絵を描く 、ペトログリフで物語を語る、地図を描くなどして情報の保存、伝達を行ってきました。

 

現代のITの解釈でITを定義したのは Harold J. Leavitt氏とThomas L. Whisler氏の論文です。1958年にハーバード・ビジネス・レビューに掲載されました。

 

著者は「この新しい技術にはまだ確立された名前がない。我々はそれを情報技術(IT)と呼ぶことにする」と述べています。

 

参考元:ハーバード・ビジネス・レビュー

 

コンピューターのルーツは1800年代にさかのぼりますが、第二次大戦をまたいで軍事用途で電気回路を使って計算する電算機の研究が進みました。

 

1960年ごろ メインフレームと呼ばれる汎用大型コンピューターがビジネスの現場で活用されるようになりました。1980年代になると個人にパソコンが普及します。

 

1990年代になるとインターネットが一般に開放され2000年代初期はPCやモバイル機器の普及によってIT革命とされる社会全般の基盤に変化が起こりました。

 

こうして振り返るとITがいかに短い期間で急激に進化してきたのかが分かります。

 

ITが重要である理由

米国経済に関する資料 2021年度予算教書

全世界のIT市場は、拡大し続け4兆ドルになります。これはアメリカの国家予算の歳入に匹敵する数字です。日本企業も世界と戦うためにDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に投資しています。

参考元:外務省『米国経済に関する資料 2021年度予算教書

 

現代の生活でもITはあって当然と考えられています。SNS・電子決済・検索など生活に直結していて使わない日はないぐらいです。

 

これからは、さらにITやIoTの技術がすすみデジタル社会化が加速します。ITはその基盤となる技術です。

 

ITの構成要素|ハードウエアとソフトウエア

 

ITの構成要素は2つに分けられます。ハードウエアとソフトウエアです。

 

ハードウエアは物理的な装置のことです。パソコン・スマホ・タブレットなどとその電源設備、周辺機器であるマウス・ディスプレイなどです。ハードウエアはそれ自体で動くことができません。

 

ソフトウエアは目的を実行するための命令(プログラム)です。ハードウェアを動かすOSやアプリケーションのことです。この他にコンピューターを結ぶネットワーク、インターネット回線、セキュリテイまで含めてITとしています。

 

ITとICTの違い

ITと似たワードでよく聞くのがICTです。

 

IT(情報技術)はコンピューターを使ってデータを処理したり、検索・送信・操作することとそのハードウエア・ソフトウエアのことを表します。

 

一方で、ICT(情報通信技術)の意味はより広く、テレビ・ラジオ・固定電話からメール・チャット・SNS・最先端技術である人工知能・ロボット工学にITを含んだコミュ二ケーションを実現する技術です。政府では総務省がICTを使用し、経産省ではITを使用しています。

 

ICTについては『人と人、人とモノをつなぐICTとは何?IT・IoTとの相違点や活用方法まで徹底解説』で解説しているので、よかったら参考にしてください。

 

だれもが知ってるIT企業

アメリカのハイテク産業を代表するGoogle・Apple・Facebook・Amazonの4社の頭文字をとってGAFA(ガーファ)といいます。この世界を代表するIT企業を紹介します。

 

Google

Google社 は、1998年設立の米国のテクノロジー企業です。「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を経営理念に掲げています。

 

オンライン広告技術、検索エンジン、クラウドコンピューティング、ソフトウエア、ハードウエアを含むインターネット関連のサービスや製品に特化しています。

 

Google.comは世界で最も訪問されたウェブサイトです。

 

Apple

Apple社は1976年設立カリフォルニア州に本社を置く、アメリカのテクノロジー企業です。

 

コンピューターデバイス、ソフトウエア、オンラインサービスの設計、開発、販売を行っています。Appleはハードウエアに強みがありスマートフォンのiPhone、タブレットのiPad、スマートウオッチのApple Watchで高評価を得て市場をリードしてきました。

 

世界中で15億個以上のApple製品が使用され、世界で最も価値のあるブランドにランクされています。

 

Facebook

Facebook社はアメリカのソーシャルメディア運営を中心とした複合企業です。世界的に人気のあるFacebookやInstagramを運営しています。

 

その他Facebook Messenger、Facebook Watch、Facebook Portalなど、ソーシャル・ネットワーキング・プラットフォーム以外の製品やサービスも提供しています。

 

Facebookのデイリーアクティブユーザーは2020年6月の平均は17.9億人です。

 

Amazon

アマゾン・ドット・コムは1994年設立のアメリカの多国籍テクノロジー企業です。

 

世界最大のオンラインマーケットプレイス、人工知能(AI)アシスタントプロバイダー、ライブストリーミングプラットフォーム、クラウドコンピューティングプラットフォームを提供しています。

 

アマゾンは世界で最も影響力のある経済的、文化的な力の一つであり、売上高で世界最大のインターネット企業です。

 

知っておきたいIT関連用語

ITを深く理解するために知っておきたい関連用語を紹介します。

 

ITリテラシー

ITについてを理解する能力、操作する能力のことです。以下の3つに分類されます。

 

 

それぞれ項目について解説します。

 

情報基礎リテラシー

情報を処理する基本的な技術や知識のことです。

 

インターネットが広まって情報が氾濫しています。もちろん有益な情報があれば、不要な情報や悪意のある情報もあります。こうした環境であるため情報の中から自分にとって必要な情報をすばやく見つけ、精査して活用する必要があります。

 

高度情報社会においては、情報を正しく扱うために、情報基礎リテラシーは必須スキルといえます。

 

コンピューターリテラシー

パソコンの基本的操作からプログラミングを含めたコンピューターを活用する能力のことを表しています。近年IT環境の進化は目覚ましく求められるパソコンスキルは高度です。

 

高度なIT環境に適応するためにはベースとなるパソコンの基本は必要不可欠です。

 

どんなものにも基礎があってその上に専門的な知識を重ねていきます。コンピューターも基本があっての専門知識です。企業は専門知識を授けてくれてもパソコンスキルの基本から教えてくれません。

 

企業は即戦力を求めていますので企業が導入する技術を使いこなせるコンピューターリテラでシーを求められます。

 

ネットワークリテラシー

情報をやりとりするモラルなどネットワークを正しく利用できる能力です。

 

インターネットのセキュリティの問題の多くはパスワードの管理が悪いからなどユーザーの危機管理の甘さに多いことが指摘されています。

 

また、リテラシーが低い人が話題作りのために注目を浴びるためプライバシーを晒したりネットで炎上騒ぎをおこしてしまうニュースを目にすることも多いでしょう。

 

従業員のネットワークリテラシーの低さは、企業の信頼にダメージを与えかねません。そのため、従業員に対するネットワークリテラシーの教育は重要です。

 

ITガバナンス

経済産業省によると

 

「IT ガバナンスとは経営陣がステークホルダのニーズに基づき、組織の価値を高めるために実践する行動であり、情報システムのあるべき姿を示す情報システム戦略の策定及び実現に必要となる組織能力である。」としています。

引用元:経産省『システム管理基準(骨子)』

つまり、企業価値を高める視点で企業全体のIT戦略を作成・実行する仕組みのことです。

 

企業が目標を達成するために、ITが効果的に使われているかが影響します。そのために企業は一貫したIT運用をしていく必要があるでしょう。このような理由から、その仕組みとして「IT ガバナンス」が重要視されています。

 

ビッグデータ

ビッグデータとは、あらゆる活動、行動、状況から生み出される膨大なデータのことです。

 

気温やライフログ・ネット・企業活動の産業データなどあらゆる場面でデータが作成されています。IoTの技術により作成されるデータは膨張しています。データを分析することで新たなサービスを生み出したりビジネスの決断する材料になります。

 

ビックデータについては、『ビッグデータとは何かを知れば、最先端技術の未来がみえてくる!』を参考にしてください。

 

クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティングは、インターネットを経由してサービスを利用する仕組みのことです。

従来は購入していたソフトウエアをインターネット上にあるサーバー上でソフトウエアを利用できます。

 

例えば、ドロップボックスはネット上にある箱で、その箱に写真やテキストなどのデータを保存できます。インターネット環境がある場所からどこでもアクセスしてそのデータを取り出せます。

 

クラウドコンピューティングについては、『クラウドとは何か?知っておきたい基本と仕事に活かす5つのメリット』を参考にしてください。

 

 

IT産業を担う職種

IDC『国内企業IT市場予測をする』

引用元:IDC『国内企業IT市場予測をする』

 

IT人材はすべての分野の産業におけるITの活用を担います。IT業界は拡大しており特に最先端技術を持つIT人材の需要は増加傾向です。IT産業を支える職種を紹介します。

 

ITエンジニア

ITエンジニアとは情報技術者の総称です。ITのシステムを設計するのが仕事です。

 

・システムエンジニア(SE)
クライアントの要求に応じたシステムを構築・設計
・ネットワークエンジニア
企業のネットワーク設計・構築・管理をおこなう
・データベースエンジニア
データベースを運用するためのシステムを構築・設計・管理
・プラットフォームエンジニア
システムインフラの設計・構築・運用・保守・助言

このようにITエンジニアの中にはシステムエンジニア・プログラマー・ネットワークエンジニア・データベースエンジニアなどがあり、求められる資質や専門知識が異なります。

 

ITコンサルタント

ITコンサルタントの仕事は企業の経営課題を解消することです。

企業の問題点を洗い出し、その問題を解決するIT戦略を作成します。その上で最適なITシステムを提案、ITシステムが機能しているかの動作検証が主な仕事です。

 

プロジェクトマネージャー(PM)

新しいシステムを構築することを「プロジェクト」といいます。このプロジェクトの立ち上げや計画、進行管理 チーム作り資材の手配などのマネジメントを行います。

 

メディアの業界でいえばプロデューサーの役割です。プロジェクト全体の仕事を理解していないとできないので、ITエンジニアからステップアップして目指す仕事です。

 

IT研究開発

IT関連の商品開発と新技術の研究の仕事です。商品開発は今ある技術を使って、新たなアプリを商品を作り出すことです。

 

例えば「クラウドを使った新たなサービスを作り上げること」です。

 

研究開発は今あるものを新たな段階に進める、未知な物を開発することです。人工知能(AI)の分野・ロボット技術などが注目されています。

 

ITの活用事例

ITをより理解するために身近な具体例をみてみましょう。

 

IT×ネットショッピング

オンラインショッピングはインターネット上で買い物ができる仕組みです。インターネットの普及とともに市場が拡大しました。

 

ショッピングサイトはWebサーバーとデータサーバーが連携して成り立っています。商品の在庫管理や顧客情報の管理はITの技術を活用しています。

 

店側としてはオンラインショッピングは実店舗を保つ必要がないこと、店員が必要ないことからコストの削減ができます。顧客は時間にとらわれず買い物ができる・口コミなどで情報収集がしやすいなどのメリットがあります。

 

IT×インターネットバンキング

金融機関は顧客管理や勘定システムの構築にIT技術を活用してきましたが、インターネットが普及するにつれて支店をデジタル化し、スマホやPCからインターネットを通じて銀行口座にアクセスするインターネットバンキングが増えています。

 

顧客は時間にとらわれず窓口にならぶ必要なく銀行取引ができるのがメリット。近年は金融に最新テクノロジーを活用するFinTec(フィンテック)に取り組む動きも活発です。

 

参考元:日本銀行金融機構局『ITの進歩がもたらす金融サービスの新たな可能性とサイバーセキュリティ』

IT×オンラインミーティング

IT技術を駆使してオンラインで会議するのがオンラインミーティングです。テレワーク・リモートワークといった働き方の多角化から普及しています。

 

PCやタブレットとインターネット環境があれば海外の人とも手軽にミーティングができます。同じプラットフォームを使ってオンライン飲み会やオンラインレッスンといった形でも活用されます。

 

最新のITトレンド

ITの活用は多岐に渡りますが新たなトレンドも生まれています。ここではよく聞く2つのITトレンドを紹介します。

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業が急激に進む社会の変革・デジタル技術の進化に適したシステムに会社を変革して新たな商品価値・サービスを生み出すことによって新たなデジタル社会で戦う競争力を身につけることです。

 

つまり、DXとは、ITをベースにしながら最新技術を取り入れてデジタル社会に適応した企業に変革することで新たなサービスを生み出すことです。

 

DXに関して、こちらの記事を参考にしてください。

『DXデジタルトランスフォーメーションとは何か?コンサルタントが分かりやすく解説』

 

第5世代移動通信システム

5Gと言われています。(5th Generation)ファイブジーと読みます。移動通信システムは10年ごとに世代を切り替えて進化しています。

 

5Gの特徴は、大容量接続・低遅延・多数同時接続です。

 

大容量接続でデータ量の大きい高画質動画のやり取りがスムーズになり、多数同時接続でIoTがより普及すると考えられます。第4世代までよりも信頼性の高い移動通信システムとして特に自動運転・遠隔手術の分野での活用が期待されます。

 

まとめ

この記事では、ITに関して下記の点を中心にまとめました。

 

・ITについて
・ITとICTの違い
・だれもが知ってるIT企業
・知っておきたいIT関連用語
・IT産業を担う職種
・ITの活用事例
・最新のITトレンド

ITは今や社会の基盤ともいえる技術です。その進化は目覚ましいものがあります。

DXに取り組み、最先端技術に適応していくためのベースの知識ですので、ITをしっかり理解しておきましょう。そして、ITをどう活用するかが重要です。参考にして下さい。

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